402 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 05:33:57 ID:C0msbNtP0 [1/1回(PC)]
浪人中、予備校の寮に入ってたんだけどそのときの出来事です。 

住んでいたのは予備校が借り上げた古いワンルームマンション。自分の部屋は502号。 
だけど下の階から順番に部屋は埋まっているのに、隣りの501号は空室。そして自分ときて、 
そこからはまた順番に学生が入居している。つまりマンション中でその部屋だけが空室だった。 
奇妙だとは思ったけど、予備校に入りたてで緊張感もあったから、自分から話題にはしなかった。 
で、案の定、夜中に勉強していると、空室のはずの部屋から人の気配がする。 
誰かがゆっくりと歩き回っているのが壁越しに伝わってくる。 
だけど不思議と怖いとは思わず、受験勉強に必死になっていたせいもあるんだろうけど 
変だと思いながら放置していた。 

4月5月と過ぎてだんだん寮生同士で仲が良くなり、雑談する機会も増えていった。 
ある日、たまたま、401号の部屋の奴と二人でいるときがあり、 
何の気なしに501号の話を振ると、待ちかねていたように 
「足音するよなあ!w」と言い始める。それで二人して 
「気配するよなあ!w」 
「やばいよなあw」 
というやりとりで盛り上がった。 
それからしばらく経った日曜、寮の階段の踊り場でみんなしてウダウダ喋っているとき 
普段は鍵がかかっているはずの501号のドアが、換気のためか少し開いていることを発見してしまった。 
寮母さんは出かけていて不在。昼間だし、みんないるし、寮母さんがいない今しか 
501号を覗くチャンスはないんじゃないかと盛り上がって、ちょっと入ってみることにした。 

部屋はガランとして薄暗く、寮生が使用する共通の勉強机が窓際に置いてあるだけだった。 
なんか壁のシミまでそれっぽく見えるよなあと辺りを見回しながらゆっくり部屋の奥に進んで 
この中にお札とか入ってたりしてー、と引き出しをガラッと開けたらほんとにワサッと入ってた。 
ギャーあるーと騒ぎながら部屋から逃げ出して、探検終了。 
寮母さんには内緒で入ったから、真相を尋ねることは出来なくて、お札の件はそれっきりに。 
その後もたびたび足音は聞こえてきたんだけど、やっぱりあんまり怖くないので放置して 
勉強に専念してた。10代の頃の思い出です。 

 
403 : 1/3[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 06:12:10 ID:BsjDv3uE0 [1/3回(PC)]
古い話なので脚色もあると思うが、そこはご勘弁頂きたい。 

学生時代、鳥山明の漫画に出てきそうな顔の友達がいた。 
丁度当てはまるキャラはいないのだが、あえて言うなら、ベジータ+ザーボンかな。 

入学当初、親睦を深める為に同じ科の奴ら数人と飲み会をやったんだ。 
大学の近くに一人暮らししていた、ベジータ+ザーボンのアパートに即決定。 
女の子も何人か呼んで、エロチックなハプニングにwktkしながら買い出しとか行ったw 

酒も進んできた頃、お決まりのパターンで怪談話の流れになった。 
よくある怪談話や体験談が進むにつれ、このベジータ+ザーボンがトンでもない霊感持ちってことが発覚したのよ。 

この時期はどこに行っても霊感持ちなヤツと出会う事が多かった。 
今思うと、オカルト方面での待遇は生涯で一番良かったかも知れないw 

多分、誰が見ても「こいつは本物だ」と思うと思う。 
俺自身、心霊話は大好きで、あちこちで聞いてきてストックしてあった話の中でも激選した物をぶち撒けたつもりだったが、 
ベジボンの(本来オチが付きにくい筈の)体験話には尽く敵わなかった。 
女の子がいる手前、最初は俺も対抗してたと思う。でも次第に対抗心は無くなり、素直に聞き入る様になってしまった。 

非常に盛り上がっていたのだが、ベジボンが急に話に参加してこなくなった。 
俺が密かに「どうした、大丈夫?」みたいな事を聞くと、 
「そろそろヤバイよね」とはにかみながら言われたっけ。 

ああ、「心霊話をしていると、幽霊が集まりやすい」と言うモンなぁ… 
とベジボンの言いたい事を理解したつもりでいた時に事は起こった。



404 : 2/3[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 06:13:09 ID:BsjDv3uE0 [2/3回(PC)]
「ベランダに知らないおっさんがいる」 

どこにでもいると思う。ちょっと空気読めないヤツっているじゃない? 
そのちょっと困ったちゃんなヤツが笑いながらいきなりこう言い出したんだ。 
ちょっとだけ顔が石田壱成に似た奴だったので、ここでは仮名として壱成とする。 

外を見る。暗い。時間は1時か2時位だったと思う。 
まだ明るい内から飲んでたので、カーテンはしいてなかった。 

そのガラスの向こうに… 
いた。 

丁度左肩がこちらに一番近い形で、向こうを向いたおっさんが立っている。 
やけに猫背で、ぴくりとも動かない人間が、ベランダに立っている。 

ベジボンの部屋は2階。人が立っている訳が無い。 
仮にイタズラとしても、何の得があって…と言うか、その佇まいが生きてる普通の人間のそれでは無いんだよね。 

さっきまでの盛り上がりは既に無く、皆真っ青な顔をして… 
終いにはすすり泣きし始める女の子まで出てくる始末。 

暫くすると、そのおっさんがいつの間にかいなくなっていた。 
ベジボンいわく、数時間前からそのおっさんはいたらしいのだが、 
突っ立ったまま、1階と2階とを上昇・下降を繰り返していたらしい。ベランダの床をすり抜ける様にして。そのままの姿勢で。 
そして最後に「昨日まではいなかった人なんだけどね、何もしなければ実害は無いと思うよ」と付け加えた。 

ちょ、ベジボンさん、その言い方他にもいるんすかw 

もう楽しい飲み会をやる様な場では無くなってしまった。 
俺も冷静に周りを見てる様な書き方をしてはいるが、正直ガクブルで早く暖かい所に行きたい様な気分でいっぱいだった。
405 : 3/3[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 06:14:30 ID:BsjDv3uE0 [3/3回(PC)]
でもね、またいるんだよ。そのおっさん。 
どうやらさっきのベジボンの言う事は本当らしい。別に疑ってはいなかったが。 

そこで何を思ったか、殆どヘベレケ状態だった壱成が立ち上がって、 
「オラァ!テメェさっきから何なんだよ!!」とおっさんに向かって怒鳴りながら向かって行った。 

普段なら、「何コイツwマジ勘弁して欲しいんですけどww」と笑って見ていられるのだが、状況が状況である。 
取りあえず、壱成を止めようと立ち上がろうとした時に見てしまった。 

おっさんがこっちを向こうとして、ゆっくりと回転してるのよ。 
「回転」と書いたのは、その動きが人間や動物の動きではなく、まるでカラクリ人形や電気仕掛けの玩具みたいな動き方だったから。 

そこで俺の恐怖度MAXですよ。 
行き過ぎた恐怖と、壱成に対する「ちょ、お前何やってんの」が絶妙に最高の状態で混ぜ合わさったのかな。 

キレたw 
もうね、完全にキレた。 
無我夢中で壱成を掴んで倒して、蹴り入れてたと思う。 
周りの奴らに速攻で止められたがw 

その後いつの間にかおっさんはいなくなってた。 
で、壱成に謝りまくった。ちょっと泣いてたな、あいつw 
いや、俺も男だからケンカ位した事あるけど、基本穏健派だからむやみに人殴ったりしないんだけど。 

真夜中に暴れたせいで、隣の部屋の人からは怒られたが、 
ベジボンにはちょっとだけ褒められたw 

あのまま壱成を放っておいたらどうなったか分からない。お前がやらなかったら、俺がやってたと思う、と。