662 : 初めまして[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 23:27:03 ID:cBvE/7uD0 [2/4回(PC)]
これは、先述の山友達のご先祖様も絡んでくる話です。 
山友達の事は…仮に良明さん、としておきます。但し、この話は良明さんが 
酔っ払ってる時に聞いた(てか、酔ってる時にしか、この話をしない)んで、 
微妙に違ってる部分があるかも。 

良明さんは、山に近い集落に住んでいる方です。ですが、彼のご先祖様は文字 
通り「山奥の集落」に住んでいたそうです。どれ位山奥かと言うと、車どころ 
か徒歩で行くにも難儀な場所で、そこから先には道が無い…という位の山奥で 
す。正しく「道の果て」な場所ですね。 

ご先祖様は室町だか戦国時代ぐらいに、同じ東北地方某所から指導的な立場の 
人(首領、って事にしときますね)と共に現地へ移住してきたそうです。 
移住してきた理由は、良明さんにも分からないそうです。 

で、ここからは良明さんの伯父が、良明さんに語った話。 
良明さん達ご先祖の首領に当たる家は、ちょっと特殊な能力を身につけてたそ 
うです。例えば吉兆を占ったりお祓いをしたり。それが凄い的中率だった様で 
す。あと、独自の神様みたいなのもあったとか。土着の宗教かな? 

首領一家の噂は近隣の集落にも知れ渡り、毎日のように占って欲しいとか祓っ 
て欲しいという人が来訪しました。当然、お礼として食料や品物を持ってくる 
人も居ます。お陰で首領の家は、田舎の家にしては結構バブリーな生活を謳歌 
してたみたいです。

 
663 : 初めまして[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 23:29:32 ID:cBvE/7uD0 [3/4回(PC)]
田舎で豪華な生活をしている首領一族は当然、周囲から羨望の眼差しで見られ 
ていた様ですが、何せ特殊能力を持つ一族。普段から吉兆占いでお世話になっ 
てるし、下手に文句垂れて呪いでも掛けられたら大変です。皆、首領一族の生 
活を黙認していました。 

ですが、徐々に雲行きが怪しくなってきます。 

と言うのも、何代目かの首領で横暴な人が出てきたのです。 
例えば、贈り物にケチ付けて「もっと豪華なもの持って来い」「お前の贈り物は少 
ないから占ってやんない」みたいな。あと、凄い無理難題吹っかけて周囲を困ら 
せるとか。 

首領の乱行には他の集落の人も辟易してたけど、首領と同じ集落の人は特に 
大変だったみたいです。何せ、毎日首領一家と顔を合わせる訳ですから。良明 
さんのご先祖も、何かと苦労したみたいです。 

でも、ある日の事。我慢の限界に達した人が、彼の乱行に対して「ちょっと首領さ 
ん、ホント勘弁して下さいよ。てか、アンタ我侭」と言ってしまいます。 

当然、首領は滅茶苦茶怒りました。そして「お前と、お前の家族に呪いを掛けて 
やる!」と、呪い宣言。その人は「大変だ、呪いを掛けられてしまった…もうオシ 
マイだ」と落胆します。 

しかも、早速と言うか…その人の家から死人が出ます。その人は何とか許してく 
れ、と懇願したそうですが、首領は頑として許しません。そうこうしてるうちに、彼の 
一家は全滅してしまったそうです。 

首領一族は「それ見た事か、俺様に逆らうからだよ」と言い、周囲はビビリまくりま 
した。



664 : 初めまして[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 23:31:14 ID:cBvE/7uD0 [4/4回(PC)]
一連の出来事で自己の力を見せつけ、首領一族による、更なる恐怖支配…となる筈 
でした。が、今度は首領が徐々に変になり始めたそうです。 
一日中ボケ~っとしてたかと思うと、一晩中騒いだり。ある時は、誰も居ない山の中 
に突っ立って、意味不明な事を喚いてたり。 

それと共に、首領の神通力もガタ落ちになってしまいました。 

そして、ある晩の事。首領の館から火の手が上がりました。火の回りがやたらと早く 
て、館はあっと言う間に焼け落ちたそうです。 
首領が死に、集落には平和が訪れる筈でした。ですが、今度は首領の幽霊が出る 
ようになります。 

「夜、死んだ筈の首領が物凄い形相で集落中を走り回っていた」「夜道を歩いていた 
ら『怨むぞ、呪うぞ』と叫ぶ、首だけの首領に追いかけられた」なんて事が頻発。 
こんな事が続いたので、集落の人々は1人去り2人去り…やがて、集落は完全な無 
人となったのです。 

それから数百年。かつての集落は、その痕跡すら完全に無くなりました。 
でも、旧集落出身でこの話を知ってる人は、その場所には絶対行かないそうです。 
過去、私は良明さんから大体の場所を聞いて近くまで行った事があります。けれど、 
特に何かあったとかってのはありませんでした。 

でも、集落出身者からすれば「近寄りがたい山奥の場所」なんでしょうね。