953 : 1/2[sage] 投稿日:04/08/25 13:29 ID:2KXflomd [1/3回]
学生時代にアポイ岳に登ったときのこと。エゾライチョウをナマで見たり、 
ナキウサギの声を聞いたり感動を覚えながら、下りのルートに入って暫く 
した時、突然ガスがかかって視界があまり利かなくなりました。 

天候が崩れるとイヤだなぁ、と思いながら仲間と下っていたのですが、 
ふと気付くと鳥の声も風の音も聞こえない、静まりかえった状況に。 
すると、遠くの方からガラゴロという音が聞こえてきました。 

まずい、雷か? と先を急いだのですが、ガスはだんだん濃くなり、 
足下が岩場の為気ばかり焦ります。ガラゴロはだんだんと近付いて 
来る感じがしました。顔に冷たく湿った空気を感じ、これはいつ雨に 
なってもおかしくないという雰囲気に更に不安になりました。 


954 : 2/2[sage] 投稿日:04/08/25 13:30 ID:2KXflomd [2/3回]
皆黙りこくったまま下山を急ぎます。ガラゴロは相変わらず聞こえていて、 
徐々に音が大きくなってきます。あれ、この音は雷にしては途切れる事が 
無くて変だな、と思っていると仲間もそう思ったのか立ち止まって聞き耳を 
立てていました。 

ガラゴロはますます大きく近づいてきます。雷? いや、何か岩でも 
転がってくるような大きな音だぞ? 皆で顔を見合わせ、何か言おうとした 
時でした。灰色の大きな塊が、下山道の先を横切って転がっていくのが 
見えました。 

岩とも熊とも違う感じで、はっきりとは見えませんでしたが何か輪の 
ようなものでした。それと一緒に音も遠ざかっていき、ガスも薄れて 
きました。今のはなんだった? 岩か? それにしては音が変じゃ 
なかったか? 立ち止まって話していた私たちは、視界が戻った 
時に自分たちの立っていた場所に驚きました。 

いつの間にか下山道をはずれて、ほんの数m先は崖になっている 
地点で立ち止まっていたのです。そのまま進んでいれば、崖から 
滑り落ちていたかもしれません。危ういところでした。 

あれは山の神様だったんでしょうか。