74 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2006/11/22(水) 01:08:28 ID:BO5QvqVl0 [1/3回(PC)]
俺が 関東の大学に通ってたとき、まあ良くある話で就職活動で希望職にありつけず 
ゼミの先生が研究生として残してくれることになったんで、帰省がてらお使いに途中 
静岡の大学と、中京地方の大学と、京都の大学の3っ箇所寄って研究資料を貰いに、 
中古の1500ccの愛車を転がしてのんびり帰ったのよ。 

静岡の先生からコピーを貰い、昼食をご馳走になってお土産まで持たせてくれて、良い気分で 
中京地方の某大学に向かって走り出したのさ。あまり遅くなるといかんので、東名をとおり 
そこに着いたのは午後5時前。早春だったのでまだまだ日が翳るのが早く、廻りの雰囲気もあって 
なんか鬱蒼として、ちょっといやな気分だった。迎えてくれた助手の方がかったるそうに、駐車場から 
件の研究室まで案内してくれたんだ。 

 教授は、会議かなんかでまだ帰っておらず、6時半頃まで待たされてようやく面会できた。 
それまで、助手君と下らぬ世間話や愚痴の言い合いをして過ごしてたんだ。 
用事の内容は助手君も知っていたらしく、その話もしたんだが、その時はなんだか浮かない顔をして 
それから話を逸らそうとしてたんだ。その時はあまり気にならなかった。


76 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2006/11/22(水) 01:53:30 ID:BO5QvqVl0 [2/3回(PC)]
で、いよいよ教授と本題になり、資料を眺め説明を受けやっと7時半。 
その日は遅いので、市内のビジネスホテルに予約を取ってもらい、お暇する 
直前にお裾分けの標本を資料庫に取りに行くことに。 
資料庫は研究室等の一番奥に古いコンクリート造の半端な校舎の中にあった。 
教授、助手君と3人で鍵を開け、資料庫に入った。資料庫といっても、大きな 
教室がいくつか並んであるようなところで、昔はここで講義もあったんだろうな 
ってな感じで確かに床には固定してあった机などを取り去った後のボルトの後のようなもの 
が、いたるところにあった。時間が時間だけに、利用していたのは下の階の一室だけで、 
4,5人の人たちがごそごそしてるだけであとは、俺たちだけだった。 
件の標本、といっても小さなお菓子箱5,6個程度ですぐに取って後にした。 
階段を降りて一階へ向かおうとした時、なにげなく今までいた資料庫のほうを振り返った。 
そしてら、髪の毛の長いベビーフェースの女子学生らしき人が立っていたので、思わず「お邪魔しました。」 
と声をかけてしまった。それを聞いた助手君が「な、なにー!」って大きな声をだしたもんだから、 
「そこに、まだ女性の人が。」といった途端、助手君は僕の手を引いて慌てて階段を駆け下り、一階の人たちに 
「おい、また、今、・・・」って声をかけた。 
途端、そこの人たちが慌てて荷物をまとめはじめた。助手君と先に出た教授と庭に出て少し行った頃、後からあとの 
5人が電気を丁度消したところだった。 
何がなんだか良くわからないまま、助手君に「何なんですか?」と聞いても首を横に振るだけで返事は返ってこない。 
資料庫のそのあたりを見渡したところ、暗闇に人陰が映ってて、ようやくどんなことが起きたのか悟ったんだ。 



77 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2006/11/22(水) 02:00:09 ID:BO5QvqVl0 [3/3回(PC)]
夕食を一緒にして、それとなく聞いても、口ごもってあまり喋ってくれない。 
教授が会計を済ませて先お帰りになって、助手君と2人きりになったところで、ようやく話はきけた。 
3年前に学生ツアーで信州のスキー場でナンパした他の女子大の学生を、そこの学生が後日その資料庫付近で廻したという 
事件があったらしい。詳しくはもみ消されたので判らないが、後日その女子学生が近くの森で死んでいたということだった。 
自殺か事件かわからないが、事故という形で決着したらしい。 
それから、しばらくしてその資料庫あたりにベビーフェースの女性が現れるのだということだった。 

気が付かなかったが、その資料庫の入り口には盛り塩がしてあったんだそうだ。 
その日、怖くて寝付けそうに無かったので、助手君と街へ飲みに出て、あの顔を払拭するため 
2人で近くのソープに行って、快楽でごまかそうと必死だった。 

翌日、眠い目で京都に出る前に資料を宅急便で大学へ送ってから、無事 
京都の大学のお使いを済ませ、少し先の実家に帰り、泥のように眠ったさ。