290 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:04/05/23 23:58 ID:zdfD+XWW [1/3回]
去年の話なんだが、 
5歳の娘が急に高熱を出し、慌てて近くの病院へ連れて行った。 
そして風邪と診断され、処方された薬を3日間飲ませていたが、症状は一向に良くならず。 
「ひょっとして医者の誤診では?何か別の重い病気かも…」 
と思い、大学病院まで行ったけど特に悪い所も見付からない。なのに下がらない娘の熱。 
どうしたものか…と妻と一緒に頭を悩ませていた。 
そして5日目の朝、妻が言いにくそうに俺にこう言った。 

『アンタには言ずらかってんけど、○○がな、怖がってんねん…』 
「何を?」 
『部屋に怖いオバちゃんがおるって…ベットの横に立ってて怖いって。』 
「はぁ?何ソレ?」 

俺は昔からあまり霊現象とか信じない性質だったので、 
妻は黙ってたみたいだが、俺が仕事に行ってる間 
娘の看病をしていた妻は、娘から何度かそう言われて困っていたらしい。 
しかしその朝は、【熱のせいで見える幻覚の類】だと思い 
妻にもそう言って、俺は仕事に行った。 

でもやっぱりソレが何となく気になって仕事がはかどらず、 
そして5日も苦しんでいる娘を救ってやりたくて 
俺は顔見知りの、自称霊能者に連絡を取った。 
奴はその日の夜に来てくれて、娘の部屋を見るなり 
「やっかいな霊の気配がする。」 
と言い出し、やれ盛塩だ、やれ読経だと言い残し帰っていった。 
そしてそれから2日。 
俺は半信半疑ながらも妻と一緒に言われた事を全てやっていたが 
効果は見られず。娘の熱は下がらないまま、 
遂に精密検査を兼ねた入院措置を取る事となった。


291 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:04/05/23 23:58 ID:zdfD+XWW [2/3回]
しかし悪い所は見付からない。 
そして病院に来ても、娘は「怖いオバちゃんがいる」と言い続け、 
俺も妻も精神的に参っていた。 
病室で情けなくも頭を抱えながら「誰か何とかしてくれ…」と 
心の中で泣きそうになりながら叫ぶ。 
このまま娘は死んでしまうのかと不安でいっぱいだった。 

しかしその2日後、嘘のように娘の熱が下がった。 
そして娘は言った。 
「昨日、太いお姉ちゃんが来て、オバちゃん連れて行った。」 
俺と妻は「?」になりながらも娘の話をよく聴くと 
何でも昨日の夕方頃、急に太った女が病室に現れ 
横にいた怖いオバサンにボソボソ呟くと、半ば強引に連れて行ったらしい。 
そしてすぐにもう一度現れて、『もう大丈夫やで。辛かったな。』 
と娘の頬を撫で、病室を出て行った…という事だった。 
それを聴いて妻は「どなたか分かりませんが、ありがとう」 
と呟き、手を合わせ涙を流していた。



292 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:04/05/23 23:59 ID:zdfD+XWW [3/3回]
…俺にはその太った女に心当たりがあった。 
それは10年前、俺が19の時、23歳にして交通事故で亡くなった姉。 
太った女と聞いて、もしかしたらと思い、娘に姉の特徴を言ってみた所 
おおよその所、姉に間違いなし。 
物凄く気が強かった人だったため、『半ば強引に連れて行った』というのも 
なんだか分かる気がした。 
俺はその後すぐに姉の眠る墓へ行き、姉に礼を言い 
そして霊の存在を信じるようになった。 

「死ね!」が口グセの姉、知らない男と殴り合いの喧嘩をする姉、 
老人と動物以外には容赦ない姉、そして子供が死ぬほど嫌いな姉… 
そんな恐ろしい姉でも姪は可愛かったんだな… 
姉ちゃん、マジでありがとう。 

娘を苦しめていた原因(?)のオバサンは、 
その後…姉にどうされたんだろうか…(((;゚Д゚))) 

長文スマソ