36 : 全裸隊 ◆CH99uyNUDE [] : 投稿日:2002/12/19 11:17:00
ある時、3人で沢登りに行ったが、15メートル 
ほどの滝が、状態が悪くどうにも直登できなかった。 
やむを得ず、滝の左側の斜面を大きく回りこみ 
滝の頂上に出ようとした時、先頭を行く友人(A)が 
突然落下した。 
滝つぼには岩が突き出ており、Aはその岩に顔面を 
ぶつけたように見えた。 
苦労してよじ登った斜面を別の友人Bとふたりで 
転がるように駆け下りたが、その時、俺の耳に 
甲高い笑い声が響いた。 
そして眼前に哄笑する男性の顔。 
その顔に構わず突っ込んだ刹那、足がもつれて 
俺は転んでしまった。 


37 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2002/12/19 11:18:00
つづき 
とにかく、そんな事は気にせず起き上がり、下まで 
降りると、先に下りたBがAを滝つぼから引き摺り 
揚げている所だった。 
Aの顔は腫れ、膨れ、鼻と目から出血していた。 
鼻といっても完全に潰れて顔の中に埋まっている。 
のっぺらぼうというのは、あのような顔の事を 
言うのかもしれん。 

麓のキャンプ場で救急車を呼び、救急隊員が滝に 
到着し、Aを担架に固定した。 
滝までは獣道があるだけなので、救急隊員と俺とBの 
4人が交替で担架を持ったが、顔面からの出血が 
ひどく、その血が流れてくるので、担架を持つ手が 
何度も滑り、その都度担架は大きく揺れ、Aは 
痛みを訴え続けた。 



38 : 全裸隊[] : 投稿日:2002/12/19 11:20:00
つづき(>>37は名前が消えてしまった) 
ようやく救急車にAを乗せ、Bは病院まで同行する 
事になった。 
俺はもう一度滝まで引き返し、散乱している荷物を 
回収し、麓まで戻った。 

Aの車で出かけた為、仕方なくヒッチハイクしたが 
あちこちに血をつけた俺を良く乗せてくれたもんだと 
妙な感心をしている。 



39 : 全裸隊 ◆CH99uyNUDE [] : 投稿日:2002/12/19 11:22:00
つづき(今度はトリップ付け忘れ) 

退院後、Aは落ちる直前に滝の上に赤い服を着た 
釣り人の姿を見たと言い、それから後の事は 
良く覚えていないらしかった。 
病院に担ぎ込まれた直後、赤い服を着た人が居るとか 
その人を滝で見たとか、大騒ぎしたらしいが、それも 
本人にすればうわごとで、一切覚えていないとの事。 

Aはかなりの手術の末に一命を取り止め、結婚し 
子供にも恵まれた。 

そして2年ほど前 

仕事中の事故で高所から落下し、死亡した。