741 : オッサンの話1/2[sage] 投稿日:2009/04/19(日) 23:34:24 ID:zfwwKBybP [1/2回(p2.2ch.net)]
心霊とかじゃないんだが。
小学生の頃、親父と妹と親父の母親(俺から見て祖母)と一緒に、山にデイキャンプをしに行った。
今になって思うと、お袋と嫁姑問題で壮絶なバトルをしていた祖母の気を紛らわすためのプチ旅行だったんだと思う。
さんざん遊んで、夕方、車に戻ろうとした矢先、祖母が行方不明になった。
周囲は、標高こそ低いものの、未舗装の山道が縦横に走っている。そのコースに迷い込んで夜になったら大事だった。
親父は、俺たちを車に押し込め、一人で探し始めた。が、すぐに戻ってきて、
「こっちの登山コースを登って探しに行ってくれないか?コースの出口で待ってるから」
と言った。
俺と妹は、言われるままにコースに足を踏み入れ、15分ほど歩いた。
日は落ちるしコースはなかなか下り坂にならないし、で、かなり焦りを感じた頃、背後から40歳ぐらいのオッサンが登ってきた。
俺が、
「この道、何分ぐらい歩けば下山できますか?」
と聞くと、オッサンは、
「え?下山する気なの?このまま進んだら、ますます山奥に迷い込んじゃうよ」
と答えた。
俺は慌てて、妹の手を引っ張って、元のルートを戻り始めた。
オッサンは…今考えればおかしな話だが、そのまま『山奥への道』を進んでいった。
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